採血管移載装置「いれかえくん」
「いれかえくん」は、血液検査後の採血管を検査装置用ラックから冷蔵保管用ラックへ自動で移載する装置です。
これまでの移載装置は大規模な検査センター向けの仕様になっているため、中小規模の病院や検査センターでは導入されておらず、作業者が手作業で仕分けしている場合がほとんどでした。
『いれかえくん』は、そんな中小規模の病院や検査センター向けに開発された、コンパクトで取扱いが簡単にできる採血管移載装置です。
特徴
保管用ラックへ自動移載
『いれかえくん』は、血液の入ったチューブ状の採血管(以下、検体)を自動的に冷蔵保管用ラックへ移載したり、工程別に振り分けたりする装置。検査用ラックごと装置内部に投入するだけで検体の移載を行います。
「いれかえくん」を血液検査ラインの途中や最後に設置すれば、これまで作業者が行ってていた煩わしい入れ替え作業から解放されます。
装置の内部には検体を搬送するXYZ軸のユニットがあり、前工程から搬送されてきた検査用ラック内の検体を1本ずつ取り出します。同時に、検体に貼り付けられたバーコードを読み取って管理システムに通知、システムから指示された移載先へ搬送するので、人手による移載間違いなどもありません。
また、再検査等で必要な検体を取り出す際にも検体がどのラックに入っているか分かるので、冷蔵保管されている多くの検体の中からのすばやい取り出しも可能です。
血液量不足検体の検出(オプション)
検体に入れられた血液の量が少ないと、検査装置で正しく分析できない場合があります。
血液量不足で検査できないというのは、一通りの自動分析結果データを見てはじめて分かること。この時点になって、改めて手動による血液分析を始めることになります。
自動分析結果データがでるまでの時間や不要な検査時間を費やすだけでなく、検体が次工程へ搬送されてしまえば、その検体を探す手間までも発生してしまいます。
『いれかえくん』なら、各検体に一定の量の血液が入っているか判別する事もできるので、検査ラインの初段に配置すれば、血液量不足の検体をあらかじめ抜き取る事が可能となります。これにより、不必要な検査時間を減らし、また、抜き取られた検体をすばやく手動分析の作業へまわせるなど、検査作業の効率アップを実現できます。
次工程に合わせた移載もできます(オプション)
検体を検査用ラックから保管用ラックに移載する標準仕様の動作以外にも、血液量不足の検体の取り除きや、次工程が手動検査となる場合には自動検査用ラックから取り除くなど、『いれかえくん』には次工程に合わせた動作指示が可能。
バーコードにより管理システムとやりとりしているので、例えば管理システムより“自動検査用ラックから手動検査用ラックへ移載”といった指示もできます。
連結により処理能力UP
『いれかえくん』では、市販の冷蔵保管用ラック100本用1個と50本用1個の計150本の検体を一度に扱え、必要に応じて空のラックに交換しながら運用していきます。
しかし取り扱う検体の量が多い施設様では「ラック交換の回数を減らしたい」「1本あたりの移載速度を速くしたい」というご要望もあります。
『いれかえくん』は最大で3台まで連結できる様に設計されているので、3台の連結により一度に450本の検体を取り扱う事ができます。また、複数台同時に移載作業させる事で処理能力を大幅アップが可能です。
処理能力の例:1台→300検体/時間、2台連結→500検体/時間、3台連結→675検体/時間
- 外形サイズ
- :340(W)×505(H)×655(D)mm
- 重量
- :36kg
- 電源電圧
- :100~300VA 50-60Hz
- 動作環境
- :15~32℃ 30~85%RH
- 適用採血管
- :75mm、100mm採血管対応
- オプション品
- :ラックストッカー、ラック収納ボックス
*機械の改良にともない、お断りなく仕様などを変更させていただくことがあります。